勤務先の女子トイレに異変が起きている。
あれは何かのメッセージなのか。
もしくは、…まじないか?はたまた、呪いか?
今回、尾篭な話になりますので、苦手な方は
ご遠慮下さい。
——
今週のはじめ。
仕事終わりに寄ったトイレ。
3つある個室の中央室の床に「それ」はあった。
すぐには「それ」が何なのかが判然としなかった。
ペーパーを、丸めたもの…?
トイレに来た本来の目的を忘れ、個室の前にしゃがん
で観察していると、同じ部のYちゃんがやってきた。
Y『ぅわ、何してんの?』
た「いや。これ、何かなあって」
観察の結果、何かに使用した痕跡がある。
でも、トイレットペーパーの使用目的を果たしていた
訳ではないようだ。
だが…。いずれにせよ、片付けたい。
このトイレは来客も利用するのだ。
た「ビニール袋持ってきて掴んで流すか…」
Y『ええ?掴むの??!!』
・・・・本音を言えば、すっげえ嫌だ。
割と汚いものに耐性がある私も、かなりな嫌悪感。
その日は、終業時間も近いことだし、朝のお掃除(プロ)
にお任せしようという、腑抜けな結論で終わった。
そして4日後の本日。
やはり帰り際にトイレに寄った。
そして、「それ」は数を増して、やはり真ん中の個室の
床で私を待っていたのだ。
た「ぅわっ!まただ!!」
私の叫びに、洗面所にいた本部長秘書が『何!?』と反応。
た「Iちゃん、これ見てよ!」
I『えぇ?…これ、何?』
「それ」にはやはり、何かに使用した痕跡。
紙を揉んだ痕・指の軌跡。いったい。
S『あれ~、どうしたの?』
同じ部のSちゃん、登場。
無言で「それ」を指差す私。言葉もないIちゃん。
S『あ、これね、最近良くあるの。しかもいつもこの真ん中の個室だけ。でね…』
I『…で、何?』
S『……、毛が。』
た「毛ぇ~~~?」
S『毛が便座に、たくさん落ちてることがあったの、あの~…』
I『えっ?髪の毛?!』
た「…じゃ、ないんでしょ…」
S『そう…、あれはきっと、シモの毛』
Sちゃんの話によると。
その毛は、便座に「ゴッソリ撒いてあった」、と。
そしてやはり、「それ」(以後「紙玉」)もあったというのだ。
私は気付かなかったが、紙玉は結構以前からあった、しかしここ最近は出現する頻度が高くなっている、とも。
何だ一体。
何かまじないなのか。
I『…暗号?』
た「おまじない、じゃない?」
S『何のよ?!怖いよ!』
紙玉を作って、勤務先の雪隠の床においておくと
年末ジャンボが当たるとか。
意中の彼が振り向いてくれるとか。
自分や家族の病気が治るとか。
失くした財布が戻ってくるとか。
んなこたぁ、聞いたことが無い。
ミステリーだ。
今回はペーパーを新たにちぎって、それで摘んで流してやった。南無三。
——–
何にせよ、よもや不審者が入り込んでイタズラしていたりするのではセキュリティ上ヨロシクない。
まして場所柄、監視カメラは設置出来ない。
何か起きてからでは困るので、事務室に戻って総務課長へチクった。
一通りの話を聞いた課長も、戸惑いを隠せない。
課長『まさかオレが見張りに立つわけにはいかんだろ』
た「一応、週明けに清掃スタッフの方にも聞いてみます」
課長『おい…天井にダクトあったっけ?』
た「個室の上には無いはずです」
課長『そっか。万一ちっこいカメラとか、あったら警察だな』
まあな。いろんなマニアがいるからな。
課長『しかしよ、何だかわかんねえのが気味が悪いな。
またあったら、写真撮っておけ』
た「へ~い」
年末押し迫って、尾篭な場所でミステリーです。
真相が分かって公開できる内容だったら、レポートします。
それにしても…
どなたか紙玉の正体ご存知の方、いらっしゃいます?
